「尊い人達」エピソード・2
電車に乗っている時の話しです。席は埋まり、立っている人も多く、全体的にやや混雑という感じでした。
カチカチッと遠くから音が聞こえてきました。何の音だろうと、目を閉じながら座っていた私は、頭の中で考えていました。その音が段々近付くにつれ、(あっ、目の不自由な方だ)と気付きました。カチカチッと聞こえてきたのは、白杖をついている音でした。
その音が近くで止まったと同時に、「席が空いているので座りませんか?」という若い女性の声が、静かな電車内で響きました。
「えっ、良いんですか?有難うございます。」と男の方の声がしました。目の不自由な方は男性の方で、その方はとても丁寧に若い女性の方にお礼をし、座られました。
お恥ずかしながら、私はこのやりとりを目を閉じ座って聞いていただけでした。
若い女性の、素早い行動。おそらく、自分の座っていた席を譲られたと思います。
更に、静かな電車内で、自分の心に迷い無く声を掛けられる凛とした姿。
とても素敵な出来事に遭遇した私は、誰にでも自然と優しく出来る人って尊いな~と思い、心があたたかくなりました🤗